パワーキット使用記

ポラールのパワーキットをついに購入、装着した。
自転車で走行中のパワー(出力)がわかるという夢の(?)ハイテク装置だ。

箱には Power Kit ではなく POWER OUTPUT SENSOR と書かれている。
日本語表記はなし。
薄い取扱説明書付き(日本語)。
パワーセンサー(チェーンステイの上)はクランク軸とリアホイール軸との中間にセンサー本体のMIDDLEマークが来るようにセット。

Rディレイラーのプーリーにはチェーンスピードセンサーを装着。
プーリーと同軸にセンサーを取り付けるための専用ボルトが用意されている(シマノ用、カンパ用、シマノMTB用)。
クランクマグネットとケイデンスセンサー(パワーセンサーと一体)との距離は7mm以内と指定されているので、マグネットを近づけなければならない。このクランクの場合、内側が角張っているのでクランクマグネットのプラスチック部分をカッターで "への字" に削って内側に寄るようにした。距離は8mmだが大丈夫のようだ。
シートステイからぶら下がっているのがスピードセンサー。
キャットアイのセンサーも(今のところ)残してある。
マグネットを共用。
手前がマウント。
各センサーからマウントまでは有線。
マウント上の金属ピン2本が心拍計裏面の接点に接続される。
パワーセンサーには強力な磁石が内蔵されており、自転車を持ち上げて運んだりするとチェーンが付着することがある。この状態でチェーンが動くとセンサー表面をガリガリ削ってしまいかねないので、透明な保護テープ(単なる梱包用テープ)を貼った。チェーンが写って見えるのはそのため。
(走行中にチェーンが付着することはない。)

重量比較
パワーキット装着前:マウント(25g)+スピードセンサー(20g)+ケイデンスセンサー(20g)=65g (電池含む)
パワーキット装着後:マウント(72g)+センサー類一式(106g)=178g(電池,ワイヤ含む。実測値)
したがって約110〜120gの重量増だ。この程度なら大したことないといえるだろう。

原理
パワー(仕事率)は力と(その方向に動いた)速度との積で求められる。パワーセンサーでチェーンの張力を計測し、チェーンスピードセンサーでチェーンの速度を計測している。では張力をどうやって計測するかというと、自転車をこいでいるときスプロケットとチェーンリングの間にある上側のチェーンはギターの弦のようにぴんと張られた状態にあり、固有振動数で(主に上下に)振動している。この上下動をパワーセンサーで磁気的に感知する。張力 T と固有振動数 f の関係は、チェーンの線密度(質量/長さ)を ρ、スパンを L とすると次式で表される。

f=1/(2L)・√(T/ρ)

パワーセンサーとチェーンスピードセンサーは、自動車のABSホイールセンサと同じ磁気式(コイルもしくはホール素子?)と思われる。またケイデンスセンサーはケイデンスだけでなくクランク位置を検出するのにも使っており、左右のペダリングバランスもわかるようになっている。

また心拍計にはチェーンの質量と長さ、それにスパン(クランク軸とリアホイール軸との距離)をあらかじめ入力するようになっている。

試走・・・問題発生・・・解決
早朝練習で早速試した。以前、体力測定したときの出力が100〜500W(ワット)程度だったのでそれを念頭に入れ、平地を軽く走行、表示は100〜200W程度でそれらしい値が出る。ところが上り坂になってスピードが落ちると、頑張ってこいでいるにもかかわらず数値が100W以下に低下。その後の下りでスピードを出すと1000W以上に上昇。これはどう考えても変。センサーの位置をずらしたりしてみたが変化なし。とりあえず帰宅して取扱説明書を見ると、「自転車に鉄製のスポークや部品が使われていると、誤った数値が表示されることがあります。」とある。たしかにこの練習用ホイールのスポークはステンレス製だが磁石に良く付く(強磁性)。しかも太い(14番)。この強磁性体である後輪スポークがパワーセンサーに影響している可能性がある。そこでリアホイールを決戦用に変えてみた。こちらのスポークはわずかに磁石に付く弱磁性。するとこのホイールではパワーキットが正常に動作した。上りでは頑張った分だけ数値も上がる。ちゃんと動作することがわかって一安心。

しかし決戦用ホイールでいつも走るわけにはいかない。そこで練習用ホイールのスポークを組み直してもらうことにした(リアのみ)。ステンレス鋼には強磁性,弱磁性,非磁性があり、自転車のスポークも同様。非磁性のスポークで組んでもらった。その結果、パワーキットは正常に動作。ちょっと余分に費用がかかったが、問題は解決。

速筋と遅筋
筋肉には速筋と遅筋があるということだが、パワーキットを付けているとそれがよくわかる。持久力的に平地を巡航しているときは比較的低いパワー(100〜200W)で走っている。短い上り坂を越えるときにちょっと立ちこぎしたり、あるいは信号待ち後にスタートダッシュすると、巡航時の数倍のパワーが出る。ごく短時間なら1馬力(735W)以上も出せる。しかし巡航中に徐々にペースを上げていってもそれほど高いパワーは出せない。速筋と遅筋のパワーの出方の違いといえるだろう。

ペダリング・インデックス (8/14追記)
パワーキットではペダリングの回転むらや左右のむらがわかるようになっている。ペダリング・インデックスというのはクランクが回転する中での最大パワーに対する最小パワーの比。これが100%に近いほど理想的なペダリングといえるらしい。しかし私の場合、この値は平均20%弱。きつい上り坂では10%台。平地で相当注意してペダリングすれば30〜50%程度に上げることが出来るが長続きしない。しかもこの値を意識的に大きくしているときは、ペダル上死点以降の最もトルクをかけやすい部分をわざわざセーブするようなこぎ方になってしまい、よろしくない。パワー変動の山を削るのではなくて、谷を埋めるようにしなければならないだろう。

左右バランス
ペダリングインデックスが100%でない限り、クランク1回転中にパワーのピークは2回ある(左右の脚の踏み込み時)。パワーセンサーと一体化したケイデンスセンサーによりクランクの位置を検出しているので、2つのピークがどちらの脚によるものかを判定していると思われる。私の場合、これまでの左右バランスのデータを平均すると左右の比率はほぼ 52:48であり、左側がやや大きい。ただしパワーキットによって検出できるパワーは左右のペダルから伝わる力を合わせたものなので、左脚の踏み込みが強いのか、右の引き脚でアシストされているのかよくわからない。

あのイマナカさんと比較
インターマックスのWEBページにイマナカさんのパワーキットによる測定データがあった。データは2つあるがどちらもペダリング・インデックスは平均20%を割り込み、左右バランスも左52%とある。私とほぼ同じなのでちょっと安心。出しているパワーは全然違うけど。


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